Notion AIは、文章を書くほかに、社内情報の検索、議事録、データベースの整理、ダッシュボード作成まで支援できます。 「資料を保管する場所」を「状況を見て次の仕事を決める画面」に変えたい人に向いた機能です。
では、独自の業務アプリのような画面も作れるのでしょうか。答えは、Notionの標準部品を組み合わせた画面は作れる。自由なデザインや独自の動作が必要なら、別の開発・連携が必要です。
この記事は2026年10月4日時点の公式情報をもとに、主なAI機能、ダッシュボードの作り方、独自UIの実現範囲を整理しています。以下の業務例・プロンプトは編集部による提案で、実機検証済みの操作結果ではありません。
Notion AIでできることを一覧で確認
| やりたいこと | 主な機能 | 活用例 |
|---|---|---|
| 文章を整える | ページ内のAI編集・翻訳 | 長い報告書を要約し、読みやすくする |
| 社内の情報を探す | Enterprise Search・AI Connectors | Notionや接続したツールから関連資料を探す |
| 複数の情報を調べてまとめる | Research Mode | 社内資料とWebをもとに調査レポートを作る |
| 会議の内容を残す | AI Meeting Notes | 文字起こしと要点・アクション項目の整理 |
| ページや管理表を作る | Notion Agent | プロジェクト用のページやデータベースを作成・編集 |
| 管理表の項目を埋める | AI Autofill | 問い合わせの要約、分類、期限の抽出 |
| 定期業務を動かす | Custom Agents | 毎週の状況報告や、登録された情報の振り分け |
| 状況を一覧で見る画面を作る | Dashboard view+Notion Agent | タスク一覧・進捗グラフ・予定を一画面に配置 |
Notion AIには、ファイルの読み取りや、スプレッドシート・PDF・スライドなどの出力を扱う機能もあります。すべてが同じ利用条件ではないため、プランと各機能の制限を確認してください。Notion AIの公式概要
検索・調査・議事録は、どう使い分ける?
必要な答えを探すなら検索、比較検討するならResearch Mode
「経費精算のルールはどこ?」のような質問は社内検索向きです。一方、「過去の問い合わせを踏まえて、来期の改善候補を整理して」のように複数の資料を照合する仕事にはResearch Modeが合います。
Research ModeはNotion内の情報、接続アプリ、Webを調査し、参照元を示しながらレポートを作成します。対象ソースは絞り込めるため、社内情報だけを使いたい場合はWeb検索を外します。生成された結論だけでなく、根拠にした資料も確認しましょう。Research Modeの公式説明
たとえば、次のように依頼できます。
顧客問い合わせデータベースと製品の改善履歴から、繰り返し出ている課題を3つ整理してください。各課題に根拠のページを付け、資料に書かれた事実と、あなたの提案を分けてください。
会議をNotionに集めるならAI Meeting Notes
AI Meeting Notesは会議を文字起こしし、要点やアクション項目を整理する機能です。日本語にも対応しています。ページで /meet から利用でき、保存先の会議データベースも設定できます。
オンライン会議では、システム音声を取得できるデスクトップアプリが便利です。録音前に参加者へ説明し、作成した議事録の共有先も確認してください。AI Meeting Notesの公式説明
会議の要約を作って終わりにせず、担当者と期限を確認してタスク管理につなぐ使い方をおすすめします。専用の録音サービスとの違いは、PLAUD・Notta・Otterなどの比較記事も参考にしてください。
Notion AgentとCustom Agentsの違い
Notion Agentは、チャットで頼んだ仕事をその場で進めるアシスタント。Custom Agentsは、設定したタイミングで繰り返し働く自動処理役です。
Notion Agentはページやデータベース、ビューの作成・編集を支援します。基本的に利用者と同じ権限で動くため、自分が閲覧・編集できない情報を自由に扱えるわけではありません。Notion Agentの公式説明
Custom Agentsでは、参照する情報、実行条件、出力先を設定します。たとえば「毎週金曜に未完了タスクを集計して、週報ページにまとめる」といった使い方です。Business・Enterpriseが対象で、実行にはNotionクレジットを使います。
設定はサイドバーの Agents から作成し、指示・トリガー・アクセス先を確認する流れです。最初は少数のページに絞ってテストし、Activityで実行内容を見ます。指示文にページを記載するだけで、アクセス権まで追加されるわけではありません。Custom Agentsの公式説明
ダッシュボードはAIで作れる?作り方と条件
専用のDashboard viewはBusiness・Enterpriseで利用できます。 表、ボード、カレンダー、グラフ、タイムラインなどを一画面に並べる機能で、Notion Agentに初稿を作ってもらうことも可能です。
手動の場合はデータベースの + Add a new view から Dashboard を選びます。ページ内の /dash からも作成できます。AIを使うなら、対象データベースを指定して、表示したい項目を伝えます。
作成後はEditモードで配置を調整します。上限は1行4ウィジェット、合計12ウィジェットです。複数のデータベースを組み合わせられますが、閲覧・編集は元データの権限に従います。Dashboard viewの公式説明
例:記事制作の管理画面を作る
テクノシルのようなメディアなら、まず「記事名・状態・担当者・公開予定日・テーマ」を持つデータベースを用意すると、次の依頼がしやすくなります。
@記事管理 を使って、編集作業用のダッシュボードを作ってください。 上段に状態別の記事件数のグラフ、中段に「今週公開予定」と「期限超過」の一覧、下段に公開予定のカレンダーを配置してください。 完了済みの記事は作業一覧から除き、空欄の日付や担当者は推測で補わないでください。既存の記事本文は変更しないでください。
重要なのは見た目よりも、集計条件です。「期限超過」に公開済みの記事が混ざっていないか、日付が空欄の記事をどう扱うかを確認します。
PVや売上も表示したい場合、その数字をNotionに保存・同期する仕組みが別途必要です。ダッシュボードを作るだけで、GA4やアフィリエイト管理画面から自動取得されるわけではありません。
PlusやFreeでは何も作れない?
専用Dashboard viewと、通常ページに表やグラフを並べた「ダッシュボード風のページ」は別です。後者の構成も検討できます。グラフはFreeでは1つ、有料プランでは無制限に作成できると案内されています。これはAIの利用枠とは別の条件です。グラフ機能の公式説明
独自UIはどこまで作れる?3段階で考える
UIとは、情報を見たり操作したりする画面のことです。「自社専用の管理画面」といっても、必要な自由度で方法が変わります。
| 作りたい画面 | 方法 | 判断のポイント |
|---|---|---|
| 案件一覧と進捗グラフをまとめた画面 | NotionのDashboard view | 標準の表・グラフで足りるなら始めやすい |
| 顧客ごとに情報を整理した詳細画面 | データベースのLayouts | 項目やタブを整理できる。レイアウト設定は手動で確認 |
| 自由な配色・操作・顧客ログインを持つ画面 | 外部Webアプリ+Notion APIなど | 開発、認証、公開、保守の設計が必要 |
1.Notionの標準部品で、業務に合う画面を作る
タスクをカードで並べる、担当者で絞る、期限をカレンダーに出す。こうした画面は、独自コードを書かずにNotionのビューを組み合わせて作れます。
たとえば営業チームなら「対応待ちの案件」「今月の商談」「失注理由」、編集チームなら「公開待ち」「更新が必要な記事」を目立たせる構成です。何でも一画面に入れず、その画面で判断したいことを3つ程度に絞ると使いやすくなります。
2.Layoutsで、詳細ページを業務画面らしく整える
Layoutsでは、データベース内のページで重要な項目を上部に出し、その他の情報を詳細パネルへまとめられます。タブ付きレイアウトで、関連データベースのビューを表示することもできます。
デスクトップ・Webでは、フルページのデータベースを開き、メニューの Customize layout から設定します。たとえば顧客ページなら、担当者と契約状況を上部に置き、商談やタスクをタブで整理する構成です。
注意したいのは、レイアウトは同じデータベースの全ページに適用されること。1件だけを変える設定ではありません。Layoutsの公式説明
また、公式のNotion Agentの制限には、データベースのページレイアウトや新規オートメーションなどの作成が挙がっています。「画面を全部AIだけで完成させられる」とは考えず、AIで作れる部分と手動設定を分けましょう。数式の相談ができることと、Agentが数式プロパティを直接作成できることも別です。Agentができない操作
3.自由な画面を作りたいなら、外部UIとデータを分ける
ブランドに合わせた顧客ポータル、独自の入力手順、特殊なグラフなどが必要なら、外部Webアプリを作り、Notionを情報の保存先として連携する方法があります。Notion APIはページやデータベースを扱うための開発用インターフェースです。開発者向け公式ドキュメント
構成例は「利用者 → 独自Web画面 → サーバー側の認証・権限確認 → Notion API」です。APIの秘密情報はブラウザへ渡さず、見せてよいデータをサーバー側で選びます。Notionに接続できることだけで、顧客ごとの閲覧制限が完成するわけではありません。
作成した外部コンテンツをNotion内に埋め込む方法もあります。ただし、埋め込み先の対応やログイン条件を確認する必要があります。埋め込み機能の公式説明
NotionのDeveloper Platformでは、Workersによる外部データの同期や、Agent用の独自ツールなども案内されています。これは開発者が連携処理を拡張する仕組みで、Notion AIに一言頼めば任意のUIが本番公開される、という意味ではありません。Developer Platform
AI Autofillで、画面に載せる情報を整える
管理画面が見やすくても、入力項目が空欄だらけだと判断に使えません。AI Autofillは、その整理を手伝います。
Basic Autofillは、その行・ページの内容から要約、分類、翻訳などを行います。Business・Enterpriseに含まれ、Webやワークスペース全体を検索する機能ではありません。
Custom Agent Autofillは、設定に応じてWebやワークスペース検索を使う、より複雑な処理向きです。こちらはNotionクレジットを消費します。Autofillの公式説明
問い合わせ管理なら、「本文を2文で要約」「指定の分類から選択」「記載がない期限は空欄」といった指示から始めると、確認しやすくなります。料金や期限のような重要な項目は、人が原文と照合してください。
料金はプラン代とAIの追加利用を分けて確認
Notion AIの本格利用はBusiness・Enterpriseが中心です。Free・Plusには試用向けの利用枠がありますが、すべてのAI機能を無制限に使えるわけではありません。公式料金ページ
さらに、Business・Enterpriseでも一部のAI機能に利用枠があり、プレミアムモデルはクレジットを消費します。利用枠を超えた後にクレジットで続ける設定もあります。AI利用枠の公式説明
導入時は「人数分のプラン料金」「Custom Agentsなどのクレジット」「外部UIを作る場合の開発・運用費」を分けて見積もりましょう。Notionクレジットの説明
予算を抑えて試すなら、クレジットの自動購入設定も確認します。Auto Adjustは残量が少なくなると設定した額を自動購入する機能です。まずは少量のデータ・低い実行頻度で、消費量を確認する進め方がよいでしょう。Auto Adjustの公式説明
最初は「1つの業務画面」を作るのがおすすめ
最初の題材には、記事管理、案件管理、問い合わせ管理のいずれかがおすすめです。元データを整え、AIで下書きや分類を支援し、ダッシュボードで状況を見る。この順番なら、どこが便利になったか判断できます。
毎週同じ集計をしているならCustom Agentsを追加し、標準画面では業務に合わない部分が明確になったら、Layoutsや外部UIを検討します。まずはNotion内の機能で、毎日使える小さな画面を作ることから始めましょう。



